読売新聞コメント「不審者情報共有できず」

7月5日読売新聞に「不審者情報共有できず」という記事が掲載され、清永のコメントものりました。
「共有すべき前兆事案の基準がないと今後も今回と同じような連携不足が起きる可能性がある。国や自治体は地域の実情に合わせた判断基準を示す必要がある。共有した情報に基づき、学校、家庭、地域、警察が警戒レベルを一緒に上げ下げして行動することが重要だ

前兆の質と量を測ることは非常に難しいですが、
あとから「そういえば」、「ああしていれば」ということを繰り返すのではなく、基準を作り、その場その場に応じた対応をする努力をするべきだと思います。

練馬児童刺傷事件について

今回の練馬の児童刺傷事件ですが、「不審者がわからない人が突然襲ってきたら防ぎようがない」というコメントが新聞に載っていました。しかし、実はこれは誤解で、ほとんどの事件の場合前兆があります。この前兆を捉えて対処するのが大人の役割なのです。不審な車がずっと止まっている、不審な人がずっと電信柱の陰でたっている、あとから「そういえば」ということはたくさんあります。早くに気付いて警察に相談する、声をかける、と言ったことで未然に防げることは多々あります。どうしようもない、とあきらめるのではなく、早くに前兆を捉えることが大切です。

「逮捕の男、再三トラブル=隣の校区で「注意情報」―男児切り付け事件・東京
時事通信 6月28日(金)23時9分配信
 東京都練馬区の小学校前で男児3人が切られ、重軽傷を負った事件。銃刀法違反容疑で逮捕された男(47)は、現場から約500メートルの一戸建てに母親と住み、庭先で奇声を上げて通報されるなど近所とトラブルを繰り返していた。
 男の自宅は事件があった学校の隣の小学校の校区。この校区では4日前、登校に付き添っていた父親が殴られる事件が発生。今回逮捕された容疑者とよく似た男による事件が続き、保護者の間で注意を呼び掛けるメールが回っていた。
 男の母親によると、男は以前営業関係の仕事をしていたが精神疾患で通院し、3年ほど前から仕事に就いていなかった。28日も病院に行く予定だったが、午前11時半ごろ「旅行に行く」と言い出し、車で家を出たという。母親は「世間をお騒がせして申し訳ない」と話した。
 近所の住民によると、男は以前から何度も庭先で大声を上げるなどしており、通報されパトカーが来たこともあった。 」

練馬区児童刺傷事件についてー子どもたちに地域で安全基礎体力をつける

昨日、栃木県防犯リーダー養成講座で講義を行ってまいりました。練馬事件の翌日でもあり、参加者の皆さんは真剣に耳を傾けてくださいました。子どもの安全確保をするには、どうしたらよいのか、昨日のような事件を起こさせないためには何ができるのか、考えながら講義を進めてまいりました。

今回事件では、見守ってくださっていた交通指導員の方が身を挺して子どもたちを守ってくださいました。怖かったことともいますが、子どものためを思って勇気ある行動をしてくださいました。指導員の方の行動は、事件があれ以上悲惨なものにならずに済むための抑止効果があった、と思います。本当に頭が下がります。

しかし、それでよいのでしょうか。大人が命を懸けて子どもを守ってくれるのであれば、子どもも、自分で頑張る力をつけていくことが必要ではないでしょうか。自分で守る力が弱いうちは守っていただく部分が多くてよいのですが、だんだんと自助から共助へと力を蓄え、一緒に街を安全にする大人に育っていかなければならないと思います。

今、安全教育は試行錯誤されながらなされています。しかし、私たちの研究結果では、場当たり的な対蹠的な教育では、子どもたちが実際に被害に遭った時に何もできなかったという子どもが5人に一人、防犯ブザーも最新の調査では1%の子どもしかならせていません。

発達段階に沿った、意図的系統的な教育が地道になされなければ、いつまでも子どもは安全基礎体力がついて行かないことは明らかです。

では、誰が、どこで、何を教えればよいのか。

それはもう答えが出ています。

まず何をどう教えるか、ですが、体験型安全教育をますますすすめていくことなのです。誰が教えるか。それは、現場の先生とともに、今、各地で勉強されている地域の防犯のプロ、そう、防犯ボランティアの皆さんなのです。

すでに、静岡県では、県の一大プロジェクトとして、防犯ボランティアの方々が学校に赴き、体験型安全教育を進めるプロジェクトが始まっています。

全国防犯協会連合会も、全国の防犯ボランティアを体験型安全教育の指導ができるよう、育成を始めています。

ともに、地域の子どもは地域で安全に育てること、地道ではありますが、大変重要なことです。次の事件が起きないよう、見守りと教育、早急に進めていく必要があると思います。(清永)

文京区内小学校での体験型安全教育

昨日、文京区立明化小学校で体験型安全教室を行ってきました。一年生は各教室で、2年生は体育館で行いました。教室の中でも机を全部下げれば、たくさん体験授業が行えます。大声を出したり、ジタバタしたり、ロケットダッシュしたりと、子どもたちは保護者や先生方と一緒に学ぶことができたのではないかと思います。

 練馬の事件を受け、保護者の方々はご心配のご様子でした。しかし、見慣れぬ車、見慣れぬ人、はちみつじまんの様子の人がいたら、学校や警察にすぐ知らせる、お友達に伝えるなど、情報をきちんと集めて的確に行動することで未然に防ぐことはできます。6・3・2の法則で、情報をキャッチし、いざとなったらスクラムを組んで、子どもたちを守りましょう、とお伝えしました。

朝日小学生新聞「危険について親子で話そう」

本日の朝日小学生新聞に練馬の事件を受け、「危機について親子で話そう」が一面に掲載されています。

「日ごろから注意をしておくことで、身に及ぶ危険を減らせます。NPO法人体験型安全教育支援機構」の清永奈穂さんは
「前をしっかり見て、怪しい人がいないか気を付けながら歩くことがまず大切です」と強調します。怪しい人の特徴は「はちみつじまん」と覚えるとよいそうです。
「は」話しかけてくる人、「ち」近づいてくる人、「み」みつめてくる人、「ツ」ついて来る人、「じま」じっと待っている人、そういう人には「ん?!」と注意。
 NPO法人「子どもの危険回避研究所」の横谷真理さんは「なるべく大勢で行動して、絶対に一人にはならないこと。もし一人になったら、ときどき振り返り、後ろに気を配ってください」と呼びかけます。清永さんも「人通りの少ない場所や周りから見えにくい場所は使わないようにし、遠回りになっても大通りなどを利用してください」

防犯ブザーは心強い味方になりますが、手の届くところにつけるなど、すぐにならせる状態にしておくことも大切です。
 怪しい人が前から近づいてきた場合はどうしたらよいでしょうか。「早めに逃げてください。どこでもいいから、駆け込んで大人に助けを求めて。大声で助けも読んでください。」(清永さん)  
 後ろから抱きつかれた時などに、とっさに大きな声を出せるように、日ごろから練習も必要です。「助けて」と叫ぶ以外にも、「お母さん!」「お父さん!」などでも構いません。怪しい人を見かけたら、親や先生にすぐに伝えてください」
(朝日小学生新聞 2013年6月30日 より抜粋)

ちなみに、「早めに逃げる」とは、だいたい相手と6メートルから9メートル離れたところで気付くことです。それ以上近いと、ナイフを持った犯人には容易に捕まってしまいます。そして振り返って、なりふり構わず20メートル以上は走る、勇気を出して走ること。日ごろから機会をつくって練習しましょう。

1月18日に新潟県私立わかば幼稚園で親子体験型安全教育を行いました。

新潟県新発田市内にある私立わかば幼稚園で、安全教室を行いました。年長者だけで、なんと!!108人という大人数!まずは、パネルシアターを観てもらい、それから、体験しながら「行きません」「大声の出し方」「走って逃げる」等々を行いました。大人数を感じさせないくらい、「しっかりくん」に「しっかりちゃん」ばかりで、みんな上手にできました。保護者の方々もとても意識が高く、春から1年生になって安全に登校するために学んで欲しいという気持ちがとても伝わってきました。わかば幼稚園の年長さん、保護者の方々また先生方、大変ありがとうございました!!

三鷹市立保育園で「体験型安全教室」を行いました。

三鷹市立保育園の父母会の方からの要請で、親子で学ぶ体験型安全教室を行いました。春から1年生になる年長児を対象に、親子で体を動かしながら、行いました。その後に保護者の方から、「子供たちも楽しんで体を動かせていて、とても具体的だった。」「保護者向けの質疑応答も的確に答えて頂き、本当によかった」という有りがたいお声を頂きました。ご参加いただいた、年長の皆さん、保護者の方々に本当に感謝です。ありがとうございました!!

三鷹市内の保育園での「体験型安全教室」
三鷹市内の保育園での「体験型安全教室」