通学路の安全

見通しがよくても犯罪者にとって「近づきやすい」「逃げやすい」と思わせたら犯罪は起こる
見通しがよくても犯罪者にとって「近づきやすい」「逃げやすい」と思わせたら犯罪は起こる

今市の事件の犯人逮捕により、通学路の安全が今また問われています。

 犯罪者は情報を集め、どこで、どのような手口を使い、どんな子を獲物として狙うかを定めてきます。

 ちょっとした瞬間に、思いもよらないところから犯罪者が忍び寄ってきてしまったら、子どもは何も対処できない。これは、私たちが2007年と、2010年に行った子ども犯罪被害実態調査でも明らかになっています。「その時何もできなかった」という子どもは20%、声も出せず、走れず、悲しくつらい思いをした子供たちが沢山いるということです。その一方で、パトロールも疲労してきています。もちろん毎日雨が降っても雪が降ってもパトロールしてくださる方がいる。もちろん誰かが見てくださることはとても大事なことです。しかし無理に動員しても、それは、不満がたまり長続きはしません。

 だからといって、このままでよいのか。そうではない、と思います。

 

 これらを解決するには、地域と、家庭と、保護者、警察、学校が一体になって対処していく必要があります。そうでなければまた次の子どもが狙われることになってしまう。実際、子どもへの犯罪は今、増えてきています。

 事件を防ぐ方法としては、

1.前兆をつかむ、

犯罪は、突然起こるのではなく、「前兆」があります。「そういえば」ということが事件が起きた後には必ずある。それをいかにつかむか。犯罪者との戦いは情報戦です。

6.3.2の兆候をつかむこと。

2.犯罪は、犯罪者にとって「近づきやすく、逃げやすく、犯罪者にとっていいな、」という場所で起こる、ということをしっかりととらえること。決して「入りやすくて見えにくい」ではない。これはほんの一部。そして、安全マップを作るなら、季節によって作り変えること。景色は四季でかわってしまう。そして、マップを作って終わりではなく、危ない場所をどう変えて行けるか、まで考えること。

3.子ども自身に自助・共助・公助の力(安全基礎体力)をつける

 子どもは守られるだけでなく、自分で守る力を「体験的に」身につけさせること。危機に際して大人としての振る舞いのできる子どもに、育てること。危機に面した時、的確な判断ができ、それを実行に移せるような心の発達を促すこと。人間を育てる教育が安全教育であること。

4.「この地域では犯罪は起こさせないぞ」という市民の意識=’マイシティ’、という力を醸造させること。

5.地域を汚れたものにしない。

(参考 「犯罪からの子どもの安全を科学する」(ミネルヴァ書房)、「犯罪と地震から子どもの命を守る」(小学館))

 事件が起きたときは、地域を見直すチャンスです。もういちど、なぜ起きたのか振り返り、二度と起きないようにスクラムを組んで、地域への思いを新たに一歩踏み出させるチャンスです。犯罪者に負けない地域づくりに、地域単位で取り組んでいきましょう。

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